1　Julius Caesar

ジュリアス・シーザー 特命軍司令官、紀元前59年から執政官 consul 。紀元前48年ファサリア Pharsalia でポンペイウス Pompey を破り、紀元前45年スペインでポンペイウスの息子たちを破った、劇はその凱旋から始まる。今56歳、健康上の衰えを感じている、マーカス・ブルータスの怒りを買っている。ブルータスの妻ポーシャ Portia は、シーザーの敵でありシーザーの手に掛かるのを恐れて自害したケイトウ Cato の娘であり、シーザーの敵ビブラス Bibulus の寡婦であった。プルタークに伝あり。1,126語の科白はキャスカ Caska より少し多く、四番目に多い。

2 Marcus Brutus conspirators against Julius Caesar

マーカス・ブルータス 紀元前48年ファサリアでケイトウ Cato の側でシーザーと戦ったが、シーザーに許され、紀元前46年ガリア・キサルピナ Cisalpine Gaul の知事になり、紀元前44年にプラエトル praetor （法務官、執政官に次ぐ役職） になる。シーザーの実の息子との噂がある。母はケイトウの異母姉妹 half-sister であり、ケイトウの寡婦の娘ポーシャと結婚した。プルタークに伝あり。5,394語の科白は最も多い。

カイアス・キャシアス　出自は不詳、紀元前53年クラックス Crassus と戦った以前は、よく知られていない。シーザーに引き立てられ栄誉を受けたにもかかわらず、シーザーに対する陰謀の扇動者。プルタークは彼のことを多く記述している、「怒りっぽく、かんしゃくもちで、冷酷な男で、しばしば正義を離れて利得に走る」。3,709語の科白は二番目に多い。

キャスカ　謀反人の一味。プルタークのわずかな記述から、大部分をシェイクスピアが作った。護民官 tribune で、最初にシーザーを刺した。ローマから逃げて護民官の役職を剥奪された。フィリパイで戦ったが、シェイクスピアは劇中で言及していないが、そこでアントニーの科白で、野良犬のよういにシーザーを刺した、とキャスカのことを言っている。戦いのすぐあとで死ぬ 1,074語と5番目に科白が多い。

5 Decius Brutus /dˈi:ʃəs/ conspirators against Julius Caesar

ディーシャス・ブルータス　謀反人の一味。プルタークでは、シーザーは「次の後継者」と考えていた。名は正確には、Decimus Junius Brutus Albinus 。シーザーを説得して登院させ、殺害にも積極的であった。暴徒に家を燃やされる。

シナ　謀反人の一味。正確には L. Cornelius Cinna the Younger 。シーザーによってプラエトルに任命されたが、「ジーザーを悪し様に言った演説をして」（プルターク）、暗殺に賛成した。1幕3場では、ブルータスの窓に手紙を投げ込むようにキャシアスに依頼され、2幕1場のブルータス家の庭園では仲間の端におり、2幕3場ではアーテミドーラスの氏名一覧に載り、3幕1場のシーザー殺害の後では最初に「解放だ、自由だ、暴君は死んだ」と叫ぶ。

7 Metellus Cimber /mitˈeləs/ conspirators against Julius Caesar

メテラス・シンバー　謀反人の一味。正確には、L. Tullius Cimber、 しかしプルタークでは Tullius Cimber と Metellus Cimber 両方使われている。シーザーの強い支持者であり、ビシニア Bithynia を与えられる。しかし1幕3場では、謀反人の仲間になっている、2幕2場ではシーザーに特に挨拶され、3幕1場ではへりくだって嘆願を願い出て、殺害の合図をする役をつとめる。殺害のあと10語述べてこの劇から去る。

8 Trebonius /trebˈouniəs/ conspirators against Julius Caesar

トレボーニアス　謀反人の一味。多年にわたりシーザーに気に入られ、紀元前45年執政官に任命される。2幕2場では、シーザーは「近くに来るように」彼に要請する。アーテミドーラスの氏名一覧に載る。彼の役割はアントニーを元老院から遠ざけておくこと、そして殺害の後、アントニーは「驚いて、家に逃げ帰りました」と報告する。これが最後の科白。

9 Caius Ligarius /ligˈɛəriəs / conspirators against Julius Caesar

レゲリアス　謀反人の一味。正確には、Quintus Ligarius。ポンペイウスとの戦いでキケロの弁護もあり、シーザーに無罪放免されるが、それでも独裁権力を嫌ってシーザーを憎んだ。キケロや他の者たちと同様に、彼はシーザーに対して深く相反する感情を持っていた。

10 Octavius Caesar /ɔktˈeiviəs/ triumvirs after the death of Julius Caesar

オクタヴィアス・シーザー　ジュリアス・シーザーの甥（姪）孫であり、4幕1場で初めて登場する前から、三頭政治の原動力であった。アントニーとともに、2年後の紀元前42年ブルータスとキャシアスを破った – 21歳であった。27歳でアウグストス皇帝になった。劇では、役割は小さく、328語で、ポーシャのおよそ半分である。

11 Mark Antony 　triumvirs after the death of Julius Caesar

マーク・アントニー　Marcus Antonius 、シーザーの友、活発な軍事的個人的履歴を持つ。殺害には係わらず距離を置いていたが、その後権力を握り、レピダスと同盟し、オクタヴィアスと血みどろの戦いを経て、紀元前43年三頭政治を形成する。アジアを与えられ、エジプトの女王クレオパトラに状況説明をしなければならなかった。その余は歴史が示している。プルタークに伝あり。三番目に多い、2,540 語の科白。

12 Lepidus /lˈepidəs/ triumvirs after the death of Julius Caesar

イーミリアス・レピダス M. Aemilius Lepidus 紀元前49年プラエトルになり、紀元前46年シーザーとともに執政官になる。殺害の後、ローマの近くに部隊とともにいたので、マーク・アントニーを助けることが出来た。3幕1場、4幕1場に出番あり、Antony and Cleopatra では前半に出てくる。紀元前43年三頭政治の形成時からのメンバー。アフリカを与えられる。シシリーを合併しようとした後で、権力を奪われ引退する。紀元前13年に死ぬ。

13 Calpurnia /kælpˈə:niə/ wife of Caesar

キャルパーニア シーザーの妻。Folio では終始 CALPHURNIA のスペルだが、プルタークではラテン語で Calpurnia と書き、古代には標準的な表記。

ポーシャ　ブルータスの妻。ブルータスの若い妻であるが、ビブラス Bibulus の寡婦であり、息子もいた。彼女の父は、マーカス・ポーシャス・ケイトウ Marcus Porcius Cato で、道義に厳格でかつシーザー嫌いで知られていた。

15 Lucius,/lˈu:ʃə:s /personal servant to Brutus

ルーシャス　ブルータスの使用人。シェイクスピアの創作。

16 Cicero /sˈisərou/ senators

キケロ　元老院議員。Marcus Tullius Cicero 哲学者、弁論家、政治家、手紙作家、修辞学の学派の創設者、ヨーロッパに大きな影響を与えた。エリザベス朝の学校の生徒には 'Tully' の名で知られていた。シーザーを大いに賞賛したが、独裁政治の台頭を恐れた。劇では、外部からの鋭い観察者。ブルータスの助言により、キケロを謀反の仲間に加えるのに失敗したことは、大きな間違いであった。ローマで人気があり、三頭政治の敵であったが、シーザー暗殺の一年後殺された。プルタークに伝あり。彼の性格は大部分シェイクスピアの創作である。

17 Publius senators

パブリアス　元老院議員。シェイクスピアの創作、暗殺の朝、シーザーに暖かく挨拶された、2幕2場。3幕1場で、アーテミドーラスを無視する、科白はないが明らかに殺害に衝撃をうける。謀反人ではない。

18 Popilious Lena /lˈi:nə / senators

ポピリアス・リーナ　Popilius Laenas 元老院議員。殺害の直前、元老院でシーザーに健康を祝する言葉をかける、それが偶然にも暗殺の引き金になった。

19 Marullus /mərˈʌləs/ tribunes

マララス　5人の護民官の1人。1幕1場のみの出番、その後多分処刑される。

20 Flavius /flˈeiviəs/ tribunes

フレイヴィアス　もう1人の護民官。マララスと同じ運命になる。

シナ　Gaius Helvius Cinna 詩人、そして Cayullus and Suetonius の友人。プルタークは「シーザーの友人の1人」と呼び、詩については評していない。

22 Lucilius/luˈsiliəs /

ルシリアス　ブルータスとキャシアスの友人、後にアントニーに仕える。ブルータス側で活躍したが、フィリパイで捕虜となり、アントニーが確かめるまで、自分がブルータスだと戦場で触れ回る。4幕2場。

23 Titinius/titˈiniəs /

ティティニアス　ブルータスとキャシアスの友人、キャシアスによれば、スペインでシーザー側に付いている。1幕2場。後に、ブルータス軍の将校としてメサーラとともに登場し、妻のポーシャが亡くなった知らせをきくブルータスを見ることになる。4幕3場。フィリッパイの2回目の戦いでは、斥候に行っている間に、キャシアスが自害する、それを知ってキャシアスの剣で自らも自害する。5幕3場。プルタークでは 'Titinnius' と綴り、「キャシアスの主要な友人の1人」と呼んでいる。

24 Messala/ mesˈɑ:lə/

メサーラ　M. Valerius Messala Corvinus ブルータスとキャシアスの友人、ローマの名門の出。ポーシャの死をブルータスに伝える。4幕3場。フィリパイの戦場で果敢に戦うが、スレイトウ Strato をオクタヴィアス Octavius (Augustus)に推挙する。 後に三頭政治に許されて、オクタヴィアスの友人かつ上席将校になる。

25 Young Cato/ kˈeitou/

小ケイトウ　ブルータスとキャシアスの友人、Marcus Cato の息子、従ってポーシャの兄弟、ブルータス側で勇敢に戦い戦死する。5幕4場。

26 Strato/ strˈeitou/

ストレイトウ　ギリシャの修辞家でブルータスの友。キャシアスの死体を発見した一人。頼まれて、ブルータスの自害を助けるため、剣をしっかり支える。プルタークによると、後に、オクタヴィアスに優遇される。

27-8 Varrus, Claudiussoldiers with Brutus and Cassius

ヴァロー、クローディアス　ブルータスとキャシアス側の兵士。フィリパイの戦場で、戦いの前にブルータスのテントで寝るように指示された兵士。4幕3場。名前ともこの二人はシェイクスピアの創作。・・・　

29 Clitus /klˈaitəs/　soldiers with Brutus and Cassius

クライタス　ブルータスとキャシアス側の兵士。ブルータスが最初に自害の介助を頼んだ。彼の断固とした拒否は、「そんなことをするなら、自分を殺（や）ります」5幕5場。

30 Dardanius/dɑ:dˈeiniəs/　soldiers with Brutus and Cassius

ダーデイニアス　ブルータスとキャシアス側の兵士。　Clitus 同様、二番目に自害の介助を頼まれる。

30 Volumnious/voˈlʌmniəs/　soldiers with Brutus and Cassius

ヴォラムニアス ブルータスとキャシアス側の兵士。 Clitus 同様、三番目に自害の介助を頼まれる。ブルータスと学校が一緒だった、幼なじみ。5幕5場。プルタークではギリシャ語で頼んでいる。

31 Pindarus /ˈpindələs/

ピンダラス　歴史的に実在した、キャシアスに仕えるパルティア人の奴隷。キャシアスの要請により、キャシアスを殺す役目、「そのようなことが必要な時のために準備され雇われた」。5幕3場で、キャシアスがフィリパイの2度目の戦いで戦況判断をを誤ったとき、その時が来て、ピンダラスは要請された仕事を果たす、そして姿を消す、「ローマ人の決して目に付かないところに」。

32 Artemidorus f Cnidos /ɑ:temiˈdɔ:rəs ˈnaidəs/ a teacher of Rhetoric

アーテミドーラス　修辞学の教師。シーザーに忠告しようとする。プルタークが伝えるところでは、「ギリシャ語の修辞学の教師であったので・・・ブルータス一味と親しかった・・・」多分そのために陰謀の情報を知りえたのだろう。クニドス島 the isle of Gnidos の生まれ。・・・

大工　木工の重労働者。1幕1場。

靴職人　靴を直すのと作る職人は自営業をみなされていた。

詩人　犬儒派の哲学者、4幕3場で、ブルータスとキャシアスの口論に割って入ろうとした、Marcus Favonius　に擬せられている。　

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